薬と装具で膝の痛みを改善する

膝の痛みが運動療法だけで改善しない場合は、一時的に装具を使います。 どちらも根本的に痛みを取るものではありませんが、痛みを和らげ、運動を続けるために有効です。
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薬と装具で膝の痛みを改善する

■薬や装具を使うとき

膝の痛みで運動をしにくいときに一時的に使う

変形性膝関節症の治療は、運動療法が基本です。膝を支える筋肉に負荷をかける運動を続けることで、痛みは改善していきます。 しかし、痛みが強くて運動を始められないときもあるでしょう。そのような時は、一時的に装具や薬を使います。 装具には、膝にかかる負担を軽くするための足底板や、膝を支えるサポーターなどがあります。 薬は、痛み止めや炎症を抑える薬で、痛みの強さや年齢、持病の有無などを考慮して処方されます。 装具や薬は、変形膝関節症を根本的に治すものではありません。あくまでも運動ができる状態にするために一時的に使用するものです。 運動ができるようになるまでの間、あるいは手術をするまでの期間、装具や薬の力を借りると考えてください。


■装具を使う

足底板やサポーターで膝関節を動かしやすくする

変形膝関節症の人に多く見られるO脚は、膝の内側に負荷がかかっています。そのため、内側の軟骨がすり減るなどして、痛みが生じます。 足底板は、靴の中敷きとして使用するもので、O脚の場合は、かかとの外側に厚みを付け、体重が膝の骨全体に分散されるようにします。 足底板を使用することで、膝の内側の軟骨や半月板にかかる負荷を減らすことができます。 ウォーキングシューズなどに入れ、散歩に行くときはその靴を使うなど、できるだけ長い時間使うことが大切です。 足底板は医師が処方箋を書き、義肢装具士が石膏で型を取るなどして、オーダーメイドで作られます。 1週間ほどでできますが、何度か調整することで、よりフィットしたものになります。

サポーターには、伸縮性のある布製のものや、支柱が入って膝をしっかり固定するタイプなどがあります。 太ももの前側の大腿四頭筋が弱くなり、膝がグラグラして歩きにくいときなどに使います。 ただし、サポーターの装着による痛みの改善効果は個人差があります。 装着した状態で運動やウォーキングを行い、 脚の筋力が付いてきて、膝が安定するようになってきたら、使用をやめることもできます。 サポーターを巻くことで膝が保温されて楽になるようなら、使用を続けるのもよいでしょう。

簡単な足底板やサポーターなどの装具は薬局や介護用品、靴店などでも市販されています。 医療機関などで医師に処方してもらうことも可能で、その場合、足底板の作製やサポーターには健康保険が適用されます。 膝の痛みやO脚で歩きにくいと感じている人は、まずは整形外科で医師に相談してみてください。


■薬を使う

痛みの度合いによってどの薬を使うかを決める

●軽度〜中等度の痛み

NSAIDsは非ステロイド性消炎鎮痛薬の総称で、痛み止めとしては最も広く使われているタイプです。種類も豊富で、飲み薬と外用薬があります NSAIDsの飲み薬は、血流に乗って全身に作用するため、膝以外に腰や肩など、複数の関節が痛む人にも有効です。 ただし、胃炎や胃潰瘍など、胃腸障害を引き起こしやすいので、胃粘膜を保護する薬と一緒に処方されるのが一般的です。 腎障害の副作用が起こる場合もあります。 NSAIDsの外用薬には、貼り薬、テープ、塗り薬などがあります。外用薬は局所的に作用するため、胃腸障害などはほとんど起こりません。 ただし、皮膚が弱い人は、貼り薬やテープを長時間貼っているとかぶれる場合があります。 また、貼り薬を使った部分に紫外線が当たると、光線過敏症という皮膚炎を起こすことがあるのでしばらくは日光に当たらないようにするなど注意が必要です。

アセトアミノフェンは、膝の痛みだけでなく、風邪で熱があるときなどにも解熱鎮痛薬として処方されます。 NSAIDsに比べて、炎症を抑える効果はそれほど高くありませんが、副作用も比較的少ないのが特徴です。 ただし、飲み過ぎると肝機能障害を起こすことがあります。 COX-2阻害薬は、比較的新しいタイプの痛み止めです。NSAIDsの飲み薬と同程度の抗炎症効果がありますが、 NSAIDsで多く見られる胃腸障害の副作用がなくなるよう、改良して開発されました。胃にやさしいので、高齢者でも使いやすい薬です。 NSAIDsの飲み薬とCOX-2阻害薬は、長期間使うと内臓に負担がかかるので、1〜3ヵ月を目安に使用します。

 ◆激しい痛みがある場合

これらの薬を3ヵ月間使っても痛みが改善しない場合には、オピオイドSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)の使用が検討されます。 オピオイドは、麻酔時の鎮痛にも使われる薬で、飲み薬と貼り薬があります。 痛みを感じる脳・脊髄に直接作用するため、強力な鎮痛効果があります。 ただし、吐き気、ふらつき、便秘、めまいなどの副作用が出る場合があり、転倒事故などに注意が必要です。 副作用が現れていると感じたら、医師に相談しましょう。 SNRIはうつ病の治療でよく使われている抗うつ薬です。何種類もあるSNRIのなかで、デュロキセチンという薬が、 2016年から変形膝関節症の治療にも保険適用になりました。ただし、まだ変形膝関節症に対する使用実績が少ないので、 どういった症状の患者さんに適しているのか、慎重に見極めながら使用している段階です。

 ◆激しい痛みがある場合

これらの薬を3ヵ月間使っても痛みが改善しない場合には、オピオイドSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)の使用が検討されます。 オピオイドは、麻酔時の鎮痛にも使われる薬で、飲み薬と貼り薬があります。 痛みを感じる脳・脊髄に直接作用するため、強力な鎮痛効果があります。 ただし、吐き気、ふらつき、便秘、めまいなどの副作用が出る場合があり、転倒事故などに注意が必要です。 副作用が現れていると感じたら、医師に相談しましょう。 SNRIはうつ病の治療でよく使われている抗うつ薬です。何種類もあるSNRIのなかで、デュロキセチンという薬が、 2016年から変形膝関節症の治療にも保険適用になりました。ただし、まだ変形膝関節症に対する使用実績が少ないので、 どういった症状の患者さんに適しているのか、慎重に見極めながら使用している段階です。

 ◆医師に相談し、自分に合った薬を

現在は様々な薬があり、選択肢が広がっています。医師は合併症の有無や他の関節に痛みがあるかなど、総合的に考えて薬を選んでいます。 効果を実感しにくかったり、副作用があったりするときには、遠慮せずに医師に相談して、自分に合った薬を探していきましょう。 また、市販の痛み止めにも、医療用と同じ成分が配合されたNSAIDsや、アセトアミノフェン配合の薬が販売されています。 緊急時に短期間使う分には構いませんが、高齢者や他の病気の薬も服用している人は、予期せぬ相互作用を起こす恐れがあります。 医師や薬剤師にチェックしてもらうと安心です。


関節痛の薬



■膝に水が溜まった時の治療

関節液を抜くのと同時にヒアルロン酸などを注射する

「膝に水が溜まる」とは、関節を包む関節包という膜の中の関節液が増えた状態です。 健康な時の関節液はごく少量ですが、変形性膝関節症の人では、関節液が100mlも溜まることがあります。 関節内の炎症が原因で、膝に水が溜まるので、急激に腫れてきた場合には、感染症を起こさないよう消毒を行い、注射器を使って関節液を抜くことがあります。 同時にヒアルロン酸ステロイド薬を注射し、 炎症や痛みを和らげる治療が行われます。運動や薬で関節の炎症が治まれば、水は溜まりにくくなります。 ヒアルロン酸注射は一定の間隔で継続して行われます。効果を実感しない場合は、それ以上続ける必要はありません。 ステロイド薬の注射は、何度も行うと副作用が出やすくなります。こちらもあまり頻繁に行うことはお勧めしません。